牛革ランドセルの素材を保つための対処・予防法について
ランドセルは長期間使用するので、キズが付きやすいものです。特に雨の日などは、すぐに傷んでしまうので、注意しておくといいでしょう。今回は牛革ランドセルの素材の良さを失わないようにする予防法や対処法、手入れの仕方などをご紹介します。
ランドセルのかぶせにシワができる原因
・牛革ランドセルの間違った扱い方
牛革ランドセルのかぶせはシワが目立ちやすい部分です。牛革の性質を把握し、シワの原因となる扱い方をしていないかチェックしてみましょう。
①濡れた状態で強い力で拭いていませんか?
牛革ランドセルの表面は撥水加工が施されているため、多少濡れても傷みにくいようにできています。しかし濡れるたびに表面を強い力でこすっていると加工が剥がれていきます。さらに革が引っ張られて細かいシワができてしまいます。
②ストーブやドライヤーで乾かしていませんか?
濡れたランドセルを高温で一気に乾かすと、革が縮んでシワができてしまいます。低温のアイロンもシワの原因になるのでやめましょう。
③かぶせを無理やり折り曲げていませんか?
牛革は強い力で折り曲げを繰り返すとシワが入ります。
ランドセルの背当てを下にし、かぶせが平らになるように開け閉めするのが本来の正しい方法です。ランドセルを立てた状態で開け閉めしたり、かぶせに折り目がつくほど反対側に反らせて開け閉めする子もいるようです。
かぶせにシワをつけないためには
- 強い力で引っ張らない
- 急激な温度ストレスを与えない
- 強い力で折り曲げない
ことが大切です。
牛革ランドセルのキズや汚れに対する対処法
牛革ランドセルのキズや汚れへの対処法をご紹介いたします。牛革ランドセルには強い力をかけないことが基本です。
・文房具で付いてしまった汚れ
①鉛筆:消しゴムで軽くこする
②ボールペン:ベンジンを浸した布や綿棒で線を優しくなぞる
③水性ペン:水拭きする。落ちにくい汚れは中性洗剤を薄めて拭く
④油性ペン:食用油を浸した布や綿棒で汚れを浮かせながら拭き取る
⑤墨汁:ベンジンを浸した布や綿棒で、汚れ部分を叩くように拭き取る
⑥絵の具:水彩絵の具は落ちにくい
油性ペン、墨汁、水彩絵の具は完全に落ちないかもしれません。購入したランドセルメーカー、またはランドセルのクリーニングをしてくれるお店に相談してみてください。
・食べ物の汚れ
ランドセルに食べ物の汚れが付くのは、中に入れたお弁当の汁がこぼれたパターンです。シミだけでなく、ニオイも取りづらくなるので早めの対処が必要になります。
ランドセルについた食べ物の汚れは、中性洗剤を薄めて柔らかい布で拭いてください。中性洗剤を使えば油分を含んだ汚れもある程度まで落とすことができます。外側についた食べ物の汚れは、柔らかい布で表面を拭き取ってください。
・汗ジミの汚れ
子どもはよく汗をかきます。背当てや肩ベルトについた汗をそのままにしておくと、牛革を傷める原因になるだけでなく、シミになって残ってしまいます。汗がついた時は、中性洗剤を薄めて軽く拭き取ったあと、皮革用の防水スプレーで表面を保護しましょう。
・雨に濡れたとき
雨が降りそうな日はランドセル用のレインカバーを使いましょう。
突然の雨で濡れてしまった時は、乾いた布で表面についた水気を優しく吸い取るように拭き取りましょう。
簡単ですがとても効果的です。濡れたまま放っておくと革が硬くなるので気をつけましょう。
牛革ランドセルを長持ちさせるために
基本の手入れ
基本的に牛革ランドセルは手入れの必要がありません。手入れをし過ぎるとかえってランドセルが傷む原因になります。皮革クリームを使って表面を保護する必要もありません。砂ぼこりや汚れが気になる時は、乾いた布で優しく拭き取りましょう。
牛革ランドセルでやってはいけないこと
牛革ランドセルの取扱いは次のことに注意しましょう。
①ランドセルカバーのつけっぱなし
ランドセルカバーを付けたままにしておくと、湿気がこもってカビやシワの原因になります。家の中ではカバーを外すようにしましょう。
②アルコール/漂白剤/ドライヤーの使用は厳禁!
アルコールは牛革表面をボロボロにします。漂白剤はどのような種類であっても、ランドセルの色落ちの原因になります。ドライヤーは革表面の劣化を促進させます。
汚れは中性洗剤で優しく拭き取り、時間をかけて自然乾燥させましょう。
しつこい汚れはクリーニング、またはメーカーに問い合わせてみてください。