公立小学校と私立小学校。気になる「お金周り」の事情
お子さまを公立小学校に通わせるか私立小学校に通わせるか悩んでいるご家庭にとって、最も気になるのは「お金周りの事情」なのではないでしょうか。そこで今回は、公立小学校と私立小学校それぞれにかかる費用についてお話しましょう。あわせて、それぞれの学校の特徴や利点などについてもご紹介します。
公立小学校に進学した場合の平均費用
公立小学校の入学金や授業料は、基本的に無料です。では、どんなことに、どのくらいのお金がかかるのでしょうか。
諸経費等にかかる費用
・学校指定用品:6,000円程度
・制服・体操服代:15,000円~20,000円程度
・保険代:2,000程度
このほか、辞書や絵の具セット、習字セット、彫刻刀セット、裁縫セットなど、学年が上がるごとに購入しなければならないものがあるため、その都度費用がかかります。
月々かかる費用
・授業料:0円
・給食費:3,000円~4,000円程度
・教材費等:2,000円程度
・PTA会費:100円~500円程度
・修学旅行費等:7,000円程度
文部科学省が発表した「平成24年度子どもの学習費調査」によると、公立小学校に通う子ども一人あたりにかかる年間平均費用は100,000円ほど。1ヶ月に換算すると、およそ8,000円となっています。
なお、公立小学校には、文房具や教材、給食などにかかる費用を援助してくれる「就学援助制度」が用意されています。生活保護や児童扶養手当を受けている家庭や、失業などで突然収入がなくなった家庭を対象としており、学費などの支払いが困難な場合に申請することができます。
私立小学校に進学した場合の平均費用
私立小学校に通う場合、入学金や授業料は各家庭で負担することになります。また、諸費用は学校によって大きく異なります。ここでは、平均的な金額をご紹介します。
諸経費等にかかる費用
・受験料:20,000円~30,000円
・入学金:100,000円~
・制服・体操服代:30,000円~100,000円
・指定用品類:30,000円~
月々かかる費用
・授業料:20,000円~50,000円
・給食費:3,000円~
・教材費等:40,000円~50,000円
・PTA会費:1,000円~
このように、私立小学校にかかる費用は、公立小学校に比べて全体的に高い傾向にあります。また、私立小学校の場合、公立小学校のような就学支援制度もありません。このほか、学校が遠方である場合には、電車やバスなどの交通費も必要です。
公立小学校と私立小学校、それぞれの利点とは?
ここからは、公立小学校と私立小学校の特徴や利点についてご紹介しましょう。
- 公立小学校
・地元の友達が増える
公立小学校に通うのは、学校の近所に住む地元の子どもがほとんど。放課後にみんなで遊ぶことができたり、なにか困ったことがあったときにすぐに手助けしてもらえたりする環境は、公立小学校ならでは。
・さまざまなタイプのお友だちと関わることができる
公立小学校では、さまざまなタイプの子どもたちが机を共にします。親御さんの職業も所得も家庭環境も、まちまちです。そのようななかで、いろいろなお友達と接することは、お子さまの視野や価値観を広げるのに役立つのではないでしょうか。
・給食がある
公立小学校の場合、給食がある学校がほとんどです。共働きのご家庭にとっては助かるのではないでしょうか。
- 私立小学校
・学校独自の教育カリキュラムがある
私立小学校の場合、独自の教育方針を掲げている学校が多数あります。そのため、お子さまの性格や能力に合った学校を選びやすいといえます。
・教育熱心な親が多い
お子さまを小学校受験させるご家庭は、教育熱心である場合がほとんど。学校の勉強以外にも塾や習い事に通わせているご家庭が多い傾向にあります。まわりのお友達と刺激を与えあって勉学に励むことで、お子様の力を伸ばせるのではないでしょうか。
・教員の異動が少ない
私立小学校は、公立小学校に比べ教員の異動が少ないといわれています。そのため、経験豊富かつ指への責任感が強い教員が多い傾向にあります。
今回は、公立小学校と私立小学校それぞれにかかる費用を比較するとともに、それぞれの特徴やメリットについてご紹介しました。とはいえ、各校の校風や教育方針は、学校によって千差万別。ですから、小学校選びの際は、「私立か公立か」という点だけにこだわるのではなく、学校自体の質を見極めることが大切です。ぜひ、事前に情報収集したり、お子さまと一緒に学校見学に行ったりしてみてはいかがでしょうか。